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スウェーデンの現在の治安は悪い?旅行前にチェック! 【2019年度版】

2019.10.23

緑豊かで文化水準も高い北欧の国スウェーデン。特にストックホルムは「北欧のベニス」と呼ばれるほど水辺が多くロマンチックな景色が人気です。そんなスウェーデンですが、近ごろは移民の影響により治安が悪いともいわれています。実際の治安はどうなのかご紹介します。

この記事に登場する専門家

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フィンランド・オーランド大学IT科の学生、北欧&語学系ブロガー

シンイチ

日本で一旦働いてからフィンランドで大学入り直しました。フィンランドへの移住を狙ってます。話せる言語は日本語、英語、スウェーデン語、フィンランド語の4ヶ国語。ジムとネットがあればほぼどこでも住めます。

  1. 現在のスウェーデンの治安の実態①難民のせいでレイプ地獄?
  2. 現在のスウェーデンの治安の実態②キャッシュは持ち歩かない方がいい?
  3. 現在のスウェーデンの治安の実態③中東からの難民はみんな「危ない奴ら」なのか?
  4. 現在のスウェーデンの治安の実態④郊外に存在する危険エリア
  5. 現在のスウェーデンの治安の実態⑤ホームレスは危ない?
  6. 現在のスウェーデンの治安の実態⑥実は『世界安全な国ランキング』TOP20以内
  7. まとめ
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スウェーデンというと以前は比較的治安が良く平和な印象があったように思われますが、ここ数年でそのイメージは変わりつつあります。一部のメディアでは、例えば「スウェーデンは押し寄せてきた難民のせいで治安が悪化し、世界的に見てもレイプ被害の多い国の1つになってしまった」等とも報じられるようになりました。

実際、以下のリンクのデータによると、スウェーデンは確かに2019年時点で「レイプ被害の多い国」のランキングで世界第6位となっています。

http://worldpopulationreview.com/countries/rape-statistics-by-country/

ですが、これだけで「スウェーデンがレイプ地獄の国」みたいに結論付けるのは短絡的です。レイプというものは、実は「何をレイプとみなすか」の基準などが国によってバラバラでカウントの仕方が全く異なるため、「統計上、この国はこの国よりもレイプが多い」という見方はほとんど意味がないのです。

また、世界の多くの国では、実際にはレイプが行われていても被害者が後々の報復を恐れて報告をしない、またはせっかく被害を報告しても警察がロクな対応をしないなどといった事のために、統計上には浮かび上がらず埋もれたままになっている件が山のようにあるため、実際にはスウェーデンを遥かに上回る件数のレイプが発生していながらも被害者が泣き寝入りしている国も多数存在すると考えた方が自然でしょう。

むしろ、この統計は「他の国であれば『軽微なケース』として片づけてられて被害者が『泣き寝入り』してしまうような案件でも、スウェーデンの警察は真剣に『深刻な性被害』として対処してくれている」と見る事もできます。スウェーデンは女性の権利保護が世界で最も進んだ国の1つであり、女性が自分の権利を侵害された時に他国と比べて声を上げやすい土壌ができているからです。

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治安が悪いと言われ始めたスウェーデンですが、日本の外務省から危険情報は出ていませんし、日本人をターゲットとする凶悪事件なども起きてはいませんが、観光客を狙う窃盗などの軽犯罪がないとは言えません。とはいえ、スウェーデンでは他国の旅行と比べると大金を盗まれるリスクは小さくなっています。そもそも社会全体でキャッシュそのものを取り扱わなくなってきているからです。

キャッシュレスが普及しているスウェーデンでは、小さな商店や露店でもクレジットカードが使えます。キャッシュが使えずカードのみというレストランもあるほどです。ローカルの人々はキャッシュを持ち歩く習慣がほとんどなく、クレジットや電子決済がメインとなっています。2023年からは、スウェーデンが世界初の「文字通り現金を全く使わない『完全キャッシュレス社会』になる」とも報じられています。

このようにスウェーデンでは流通における透明性の高い電子マネーがかなり普及しているため、犯罪者の立場からすれば、お金を不正なルートで流し続けるのは至難の業です。電子マネーの普及によって銀行強盗の件数も激減したというデータもあります。

従って、現金のように「盗まれたらそれでオシマイ」な盗難事件に遭う可能性は相当低くなっていますが、それでもカード等貴重品を盗まれる危険がゼロというわけではないので、テーブルに貴重品を置いたままトイレに行くみたいな無防備な事はしないように気を付けましょう。また、万が一盗まれてしまってもすぐにカードを止められるように、必要な連絡先はメモしておきましょう。

ちなみに、完全キャッシュレスが実施されると言われている2023年より前の時点であれば、少量のキャッシュは持っていた方が安心です。特にストックホルムは無料で使えるトイレがほとんどなく、使用料支払いでカード対応している所もありますが、コインでしか払えない所も残っています。(5クローナまたは10クローナ。お釣りは無し)

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テレビなどのニュースでは「中東から来た難民が暴れているせいでスウェーデンの治安が悪化している」といった風潮の報道が繰り返し行われ、それが原因で「中東の難民=犯罪者予備軍」みたいなイメージを持ってしまっている人もいるかもしれません。

たしかにスウェーデンに来た難民の中には反社会的行為に走ってしまう人間がいる事は事実ですが、良識を持った難民もあまり報道されておらず目立っていないだけで実際には多くいる、という事も皆さんに知っていただきたい事実です。

これは筆者の実体験なのですが、以前ストックホルムの街中を歩いていた時に、明らかに中東系の見た目をした人の集団を見かけました。彼らはシリア難民で、スウェーデン政府が難民のビザの審査条件を厳しくした事に抗議するデモ隊だったのですが、彼らのデモのやり方は僕がこれまでに見た事のないものでした。

彼らは政府に抗議する横断幕こそ持っていたものの、全員で道幅いっぱいに広がって行進するわけでもなく、皆で大声をあげて騒ぐわけでもありませんでした。ただ皆で静かに道に座っていただけなのです。それも通行人の邪魔にならないようにちゃんとスペースを空けた上で。

そして時折、通行人に笑顔で礼儀正しく話しかけるのです。僕も話しかけられた人の内の1人でした。デモ隊の1人は言います。「こんにちは。中東からの難民の件、ニュースはご覧になっていますか?」僕は当時スウェーデン人の友人と一緒にいて、僕より先にその友達が答えました。「はい。もちろん見ました。今回の政府の決定は難民の方々の人権を狭めてしまうもので、私もあなたたちと同じくこの決定にはとても賛成できません。」

すると話しかけてきたデモ隊の人は「ありがとうございます。僕たちの現状を知ってくださっている方が少しでもいらっしゃって嬉しいです」とお礼を言い、元のデモ隊の列に大人しく戻り、再び座りました。

このように、良識的な方法でデモをするシリア難民たちも確かに存在します。もし初めての海外旅行だったとしたら、現地でいきなり人に話しかけられるのはちょっと怖いかもしれませんが、だからといってこのような良心的な人に対してまでも冷たい態度で対応してしまったら、それはとても残念な事ではないでしょうか。

「英語に自信がないから良い人か悪い人かなんて話を聞いて判断できない。知らない人に話しかけられたら逃げてしまいたい」という人もいるかもしれません。たとえそうだったとしても、自分の意思で海外に来る以上はせめて”Sorry, I can’t speak English well”と言って最低限のマナーで断ってから立ち去るぐらいの事はできるように心の準備をしておきましょう。

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ストックホルムは中心部は今でも特別危険を感じるような所はありませんが、郊外となると危険なエリアが存在します。スウェーデン国内には50を超える「立ち入り禁止地区」(No-go zone)があると言われており、これも「スウェーデンは治安が悪い」というイメージの根拠の1つとなっているようです。

しかし、ここで少し立ち止まって冷静に考えてみましょう。日本には「暴力団」というものがありますよね。「指定暴力団」として認定されているのは24団体、それ以外のものでも少なくとも30団体は存在しています。

あれ?おかしいですね。日本にも「50を超える危ないエリア」があるではありませんか。暴力団が50団体以上も存在するこの国が「世界中探しても、こんなにも安全な国は日本ぐらいしかない」などと言われているのに、一方で「50を超える立ち入り禁止地区」があるスウェーデンが「治安の悪い国」みたいに認識されるのは不自然だとは思いませんか?

実際、日本の治安は世界的にみても非常に良い方です。たしかに複数の暴力団が日本各地に存在していますが、わざわざ危ない所に首を突っ込むような事をしなければ、よほど運が悪くない限りはほとんどの人は安全な日々を過ごしてらっしゃるでしょう?

スウェーデンもそれと似たようなもの。スウェーデンには明らかに治安の悪い地域が何か所かあるのは事実です。例えば、ストックホルム郊外ではRinkebyというエリアが地元住民の間でも悪評が高く、近づかないのが賢明でしょう。ですが、日本の暴力団と同じで、そもそもそのようなエリアにわざわざ行かなければいいだけの事。ストックホルムの中心部や主要な観光スポットであれば基本的に治安は良好です。

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これに関しては、移民や難民とホームレスを混同しないようにしましょう。一部の人はホームレスの事まで「中東系のホームレスが危ないぞ!」みたいに勘違いしているかもしれませんが、ホームレスは中東系難民と関係ありませんし、ほぼどこにでもいます。難民ではなく両親共にスウェーデン人の「生粋のスウェーデン人」がホームレスやってる事もありますし、ルーマニアなどの東欧系の人がホームレスをやっている事もあります。

スウェーデンでは、ビラを配るホームレスが時々現れます。人が座っている電車の席やレストランのテーブルに寄ってきて、ビラを配るのです。典型的な内容としては「お願いです、助けてください。私には子供が3人いますが、この子たちを食べさせていくだけのお金がもうありません。せめて今日一日だけでも乗り切れるように少しでもいいのでお金をめぐんでください」といった事がスウェーデン語で書かれており、目を合わせたりビラを手に取ると、口頭でも金銭を要求される場合があります。

ですが、これは治安が悪いかどうかとはまた別のお話。無視していると諦めて去っていきますし、たまに本当に少しお金を分け与える人もいますが、あげたからといってその後どうなるというわけでもありません。僕自身も僕の友人も小銭程度のレベルでならお金をあげた事もありますが、あげたらあげたでそれで終わりでした。こういったホームレスの人たちには基本的に暴力的な性質は薄いとみてよいでしょう。

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さて、ここで面白いデータをお見せしましょう。『世界安全な国ランキング』です。

http://worldpopulationreview.com/countries/safest-countries-in-the-world/

このデータによれば、世界一安全な国は北欧のアイスランド。今回が初めてではなく、なんと12年連続での1位という驚異的な記録。実際、アイスランドでは丸1年、365日を通しても殺人事件は1件あるかないかぐらいだそうです。(つまり0件の年もある)

「世界でも有数の治安の良い国」とされている日本は第9位。評判通りのなかなかの順位ですね。そして気になるスウェーデンはというと、第18位。調査の対象となったのは163か国でその中での18位ですから、これも優秀な成績であると言えます。

この調査結果を見れば、最初にも指摘したようにスウェーデンを「世界でも有数の危険な国」みたいに見るのはおかしいというのがおわかりになるでしょう。地元住民の肌感覚では以前と比べて多少治安は悪化した感じはあるようですが、それでも世界的に見ればまだまだ治安は良好な部類に入ります。

いかがでしたか? 今回は現在のスウェーデンの治安についてご紹介しました。社会福祉が充実しており、文化水準も高いスウェーデン。「治安が悪化した」とは言われますが、一部の地域を除けば全体的にはまだまだ安全とみてよさそうです。とはいえ、無防備な状態でフラフラするのはオススメできません。くれぐれも注意を怠らないようにして、楽しいスウェーデン旅行にしてくださいね。

サムネイル画像は下記より引用しました。
出典: https://www.instagram.com/p/BnGsuVmgxMa/